夜の調べ

雨のしずくが、窓のガラスを細かく叩いている。その雨をまとう夜気に壁一枚で触れている部屋は、火にたっぷりと暖められていて、木造りの柱がときおり、ミシッと音を上げる。風に乗り、強く打ちつけたかと思えば、すっと消えて、音がしなくなる夜。居間にひとり、テレビのスイッチさえ切ってしまえば、日曜のこの時間に聞こえてくる音は少ない。耳をすまさなくても、風に揺れる夜が、しっとり濡れているのがよくわかる。週末、こんなに静かな夜を過ごすのも、たまには愛おしい。秋も深くなった。