アメイジングな一時間

昼下がり。会議に呼ばれた都心のビルは、灰色の外壁が15階まで延びる中層の建物だ。そのまま広いエントランスに飲み込まれて、13階まで昇っていく。真ん中に通路が走り、そこから左右に机と椅子が並べられるフロア。遠くの窓に映る空は、どこまでも鈍色で、その上にレインボーブリッジがぼんやり浮かんでいた。

そうして会議が始まり、ちょうど一時間してから外に出てみると・・・まるで日付が変わったかのように、空が青く突き抜けていた。大きく傾いた太陽からは斜光が、目線の角度で射し込んでくる。そして、その光線を北から吹く風が追いかけていく。ようやく予報どおりの空模様、少し遅れてやってきたヒカリに、思わず目を細めた。