-1℃の夜明け

太陽がもっとも遅く目覚めるこの季節。うっすら星影の映る満天に少しずつ赤みが差していき、東の底からゆっくりと色が左右に延びていく。ムクドリの群れが不意に舞い上がり、空に幾何学模様を残した。

足下は暗いまま、ヒカリはまだ地に届かない。遠くに離れた通りから、アスファルトをこするタイヤの音だけ、はっきりと強く聞こえてくる。どこまでも透きとおる夜明け、生まれたばかりの朝が冴え渡る。