ハングオフ・ドリーム

ゆるいS字カーブをひらりひらり。ステアリングがトップブリッジの下から斜めに垂れ下がり、左右のステップが膝を窮屈にする。かすかに聞こえる排気音と合わせれば、懐かしい愛機RGV250に跨がっているワタシがそこに居る。バイクに乗る夢を見るなんて、ずいぶんひさしぶりだ。

始めの左ベントに落とした上半身を、短いストレートの間にマシンのセンターへ戻し、左のステップを蹴るようにしてシートから腰をずらし、右の膝をタンクの真横に突き出す。崩れた均整とずれた重心、右のステップにかかった荷重が、車体をすうっと右に倒していく。

右膝に残るアスファルトの感触で目が覚めた。