帰れる場所

指折り数えるほど台数だけど、知った顔ばかりが揃った日曜日。丸一年の間、この日曜日だけを待っていたryoには、ご機嫌の路面と先輩たちに包まれて、最高の一日になった。陽射しが西に大きく傾き、最後の20分。少し離されたtakadaくんを追いかける、その背中がギャップに揺れ、黒褐色に向かい足を突き出し、斜面を跳び上がる。そして、最後の左コーナーを真っ直ぐ、林の陰に沈むスターティンググリッドへと走る#148のCRF150RⅡ。目の前には、もう1台のCRFだけになった。チェッカーまではもうすぐ。見慣れていたはずのそのライディングに、RMを操る右腕が大きく手前に絞られた。