Viva Kasumigaura ! 3

<1/3の続き>

陰り無く照らす太陽と、宮城からやってきた元気な子どもたち。おかげでコーナーの湿り気はすっかりトンで、コロコロとした粘土がタイヤに絡む上質な褐色ができあがった。右の人差し指の腹に、路面のうねりが伝わり、2速まで蹴り落とされたギヤに、リヤタイヤが軽くホップする。ここまで過激なシフトダウンに、ようやくカラダも慣れてきた。アウトギリギリまでマシンを放り出して反転、上り勾配に向かって、軽くクラッチをすべらせる。瞬間リヤタイヤが空転、2ストロークの甲高い排気音が、杉の木立に弾けてこだまする。そして、左足を一度蹴り上げて、そのまま第1コーナーへ落ちていく。

<つづく>