不馴れな

降らない冬日と、吹き荒れた北風。路面には霜も浮き砂さえもなくなり、網の目のようにひび割れた褐色が、固く真っ直ぐに延びている。数メートル先に移動したショートカットの入り口のおかげで、バックストレートへつながるステップアップも、2速できれいに跳べるようになった。走り手の気持ちのわかるモディファイは、いかにもsaitoさんらしい。

4速に入れても素直に立ち上がる2ストロークは、ハリとハリ位置を薄く振ったたまもの。いきなりフロントタイヤをカチ上げるあたりは、ちょっと驚かされるけど、わずか85ccでここを走り回るには、このくらいの俊敏さがちょうどいい。kojimaさんの駆るRM-Z250をしばし従えて、最終コーナーへ。スタンディングのまま、腰を引きリヤブレーキを引きずって、フロントブレーキに指をかける。

<つづく>