冬空の下に集いし 4

彼の青いYZ125をその気にさせたマシンが、土埃の収まった視界の先に小さく映り込む。林の陰を横切るようにして走るのは、#113を纏うCRF150R-Ⅱ。ざりままのマシンだ。フルコースを楽しめるようになったMOTO-X981を、その日いちばん楽しんでいたのは、彼女だったかもしれない。

大量に撒かれた石灰と、腕利きの居ない午後。刻まれるワダチは何とか走れる深さ。ただ、みじん切りにされてもピーマンを食べられないワタシには、浅かろうが何しようが、嫌いなものに変わりはない。解禁されたばかりの黒く続いたいくつかのコーナーから逃げるようにその手前、乾いた陽向で向きを変え、ステップアップからバックストレートへRMが駆け上がる。

<つづく>