冬空の下に集いし 6

<2/24の続き>

お楽しみは、反り返るバンクを駆け上がり、広く伸びた直線へ全開で落ちていくまで。褐色が杉の林に黒ずむ路面へ変わり始めると、カラダは強ばり、ヒカリを失ったRMは、息をひそめるようにエンジン回転を落としてしまう。

ワダチのないコーナーの端、林の裾をさまようRM。はるかに離れた、コーナーをなぞるように続くインサイドのワダチの中、4ストロークマシンが追いつくと、そのままするすると追い越していく。立ち上がりの短い直線、刻まれたワダチを斜めにつなぐ頃にはもう、彼女の背中はステップアップの向こう側に見えなくなっていた。

代わりに青い車影がまた、きれいにショートカットを回って、RMの前に入ってくる。

<つづく>