冬空の下に集いし 7(完)

仕舞い込んでいたネックブレースを引っ張り出して挑むテーブルトップ。その台形をバラバラの飛距離で跳び越えながら、それでも感覚をつかんできたYZ125は、続くストレートを伸びやかに加速する。そして、撒き上げる煙幕を今度はRMが、夢中で切り裂き走る。少し近づいたと思えば、コーナーに突っ込みすぎては、丸い背中がまた少し離れていく。その繰り返しに、kojimaさんのRM-Zが張り付いた。

午後の日溜まりが、最終コーナーをまばゆく照らしている。乾いた褐色は黄金に輝き、気心の知れた4台が、思い思いに金色のルーストを上げる。冬空に集いし旧き仲間たち。ようやくここも、居心地が良くなってきた。3時を回ったところで次々とパドックに入り、エンジンを止めるマシンたち。静かなパドックには、saitoさんの「みんな、良いお客さんです!」と笑う声が響き、空へと流れていった。