晴走雨読

そぼ降る雨の中、健気にレースを走る者もあれば、こうして部屋に寝ころび、灰色のガラスを眺めるだけ者もいる。

湿気た花火のように気持ちはうなだれ、外に出かける気にも、ガレージに入る気にもならず。そしてKISSを鳴らし、ストラトを握ることもなかった。ひんやりとフローリングに付けた背中から、チカラが抜け出ていくような日曜の午後。しばらく白い天井を見ていたカラダをゆっくりと起こして、マガジンラックに刺さった雑誌に手を伸ばす。

そのまま腕を天井に突き出し、買ったまま、ずっと放っておいたBRUTUSの「読書入門。」のページを繰りながら、雨音に耳を澄ます。晴走雨読。こうしてまた、マガジンラックが膨らんでいく。