旧き良きair-cooledのように

雲が割れることもなく、せっかくの休日が宵闇に落ちていく。ガレージの愛機RM85Lは、二週続けてセンタースタンドにかけられたまま、変えたハリの具合を試すこともできないでいる。ロンTを一枚では少し涼しくて、でも上に何か羽織れば、すぐに脱いでしまいたくなる。今のテレビがたび番組からドラマ、ニュース、そしてバラエティからまたドラマと、メリハリのない一日を巻き上げるように、プログラムが彩り、めくるめく。

じっと動かず、ソファにくるみ込まれていたカラダを引き剥がして、両の腕を天井に突き出しながら、かかとを離し、大きく伸び上がる。肩の関節が音を立て、強ばった筋肉がほどけて、腰に鈍い痛みが残る。ちょっと動かさないでいると、すぐにさび付いてしまう。老いたカラダは2ストロークマシンよりシビアだ。うまく扱わないと、ばらついてばかり。せめてそ熱狂的な瞬発力でもあれば・・・と無い物ねだり。

リングもベアリングも、何もかもが新車の時のまま。ヤレたボディは、空冷の時代のように、よりピーキーになっていくようだ。