晩春の候 2

<4/15の続き>

ジェットニードルのクリップを一番高いところにセットして、生温い風が舞うコースへと締まった砂利を蹴り上げる。右の手のひらを引くようにするだけで、リヤタイヤは派手な唸りを上げ、すぐにフロントフェンダーが視界を遮る。木立から漏れるウグイスのさえずり。絡むのはレスポールの歪んだリフか、ジーンの蒼い雄叫びか・・・スロットルを戻し、たたずむヘルメット越しにスピーカーから、Shout It Out Loudのギターソロがかすかに聞こえてきた。

<つづく>