嬉嬉とした日曜日 2

運転席を下りて見渡せば、遠くに“SCRAPPY”の文字を浮かばせた白いトランポが並んでいる。いつもと違うにぎわい、圧倒的に少ない4ストロークの咆哮に嬌声の混じるパドックは、カレが連れてきたのかもしれなかった。初めて見る顔と挨拶を交わしながらそのトランポに近づいていくと、Coasterの大きな車影の向こうに、見覚えのある細めた瞳と見慣れないフルサイズマシンが、陽射しを受けて明るく佇んでいた。

鈍く磨き上げられたアルミのフレームは、現行モデルにはないツインスパー。抱かれる125ccの2ストロークエンジンはYAMAHA製だ。ゼッケンプレートに“253”が並んでいないだけで、それは紛れもなく、マシンの傍らに立つShow-Gの愛機。こんな風に尖ったマシンが、カレにはとてもよく似合う。希少なマシンを間近に見られたことことじゃなくて、それを持ち込んだShow-Gに会えたことが、ただうれしかった。

近寄りがたい朴訥とした雰囲気は、旧いMX408で見ていたときのままで、少しも変わらない。だから、「ご無沙汰です!」のその後に、言葉がなかなか続かない。

その雰囲気を察してか、作業の手を止めてSCRAPPYさんが、にぎやかに割って入ってきた。

<つづく>