半分、半分

もう20年振りになってしまった商船三井のさんふらわ。バイクではなくてクルマで、連れもryoではなくてネロちゃんで乗り込んだ。面影があるようでないような船内をぐるりと周り、最上階のAデッキへ、螺旋の階段を上っていく。もっと長く広かったような階段は、あっという間に上階に出て、まだまばゆい陽射しを、大きなガラス惑に照らしていた。

顔を見たいのが半分、あとの半分は何か怖いような気がして・・・そのまま甲板に立ち、海とは逆の山の端に浮かぶ夕日を見つめては、目を細めてみる。汐の涼風がざわつくココロをさらうように、湾を渡り、陸へと吹いていく。明日の今頃はきっと、二人で杯を傾けているはず。そして今宵、赤く染まる満月が、その揺れるココロを照らしてくれる。