最後の夜に

結局降られたのは、移動するBONGOの中か温泉に浸かっているときだけ。外を歩くときは決まって雲が切れ、青空とともにまだ春を思わせる陽射しが注いできた。たしかに雨は、風を連れて激しく音を立てる瞬間もあったけれど、昨日今日とryoもネロもワタシも、濡れて困ることはなかった。

清酒と旨い鹿肉に酔い、千歳川のほとりをゆっくり歩き、白老の海を眺めて登別で温泉をはしごして・・・案外いい時間が過ごせた気がする。明日はこの雲もすっかり晴れて、北海道は晴れの予報。このまま何もかも、晴れ渡ってくれればいい。そう思いながら、最後の夜、「おやすみ」とだけ言って隣にカラダを横たえる。

言葉が見つからないまま、静かに夜が更けていく。