奇跡の日曜日

目の前に迫るコーナー。ゴーグルレンズの中で大きくなる茶褐色の切り返し、ヒジを張った両腕をブレーキングギャップが突き上げる。ブレーキレバーでフロントフォークを縮め、シートの端に腰を落として車体を翻し、また右手が動かなくなるまでスロットルを捻り上げる。

そしてまた・・・無心でいくつも繰り返し、荒い息づかいでパドックへと戻っていく。梅雨の晴れ間、長く引きずったままのストレスからつかの間連れ去ってくれたのは、奇跡の日曜日といつもの仲間たちだった。

<つづく>