憂いなき休日 7

木の香が冷たい風にゆれるクラブハウス、ここに長居は禁物だ。暑気に立ち向かう気持ちまで、すっかり冷やされてしまう。「骨抜きにされる前に」とmatsunagaさんと連れ立ち外に出ると、ちょうど昼休みが終わるところだった。そして、蒸し暑いパドックから1時になるのを待ちかねたキッズが独り、甲高い排気音を伸ばして、乾いたヒカリの中へと踊り出ていった。

第1コーナーに消えた高音が、ひとつジャンプを跳び越えて近づいてはまた、短いテーブルトップの先へと落ちていく。フープスのコブを叩くように刻んでいたかと思えば、折り返してビッグテーブルトップ跳び上がり、それきり急に静かになる。先にヘルメットを着けたのはmatsunagaさん。キッズと同じような音の軌跡を残して、緑色の車体が第2コーナーを翻った。

<つづく>