憂いなき休日 6

勢いにまかせて走れないもどかしさ。もがいてはもたつくワタシのRM85Lをもてあそぶように、寄せては引いて走るKX85-Ⅱ改。操るmatsunagaさんの小さな背中を見つめて思うことは、いつも同じだ。

ワタシは10年過ぎてもまだ、ここにこうして走っていられるのだろうか。

続きは午後と言うかわりに、最終コーナーで並びかけた二人が顔を見合わせてコースを離れていく。いつしか薄く破れた雲間からヒカリがのぞき、路面の雨をとばしては、色をさらっていく。パドックに戻っても今日だけは、ryoの顔が浮かんでくることはなかった。

<つづく>