「やっぱ、楽しいわ」 2

一晩中回り続けた扇風機の、冷たい風で目が覚めた。カーテンを開け放したままの窓に、夜明けを迎えた空が一面の鉛色になって映っている。昨日までの真夏は雲の向こう、涼しい朝にかえって調子が狂ってしまう。それでも手早く支度をすませて、荷物を積み込み、いつもより15分早くBongoを走らせた。

きっちり一時間半。いつもより15分早く家を出たBongoが、15分早くかすみがうらに到着する。MOTO-X981のパドックに停まるのは、saitoさんのSTEP WGNだけ。ひさしぶりに一番乗りのガレージ、フロントウインドウから仰ぎ見る空は、やはり雲に覆われていた。

<つづく>