「やっぱ、楽しいわ」 3

すぐに訪れた軽バンには、YZ125が窮屈にねじ込んである。このところ週末、それも土曜も日曜日もほとんどすべてここにやってくる、ストイックなシャイボーイ。ボーイと言うには年がいっているけれど、とにかくカレは一度コースに出たら、なかなか戻ってこない。今でもMX408に通いつめている#148のCRF150RⅡが、何だか恋しくなってくる。気づけば時計は9時を回り、後から来たカレにすっかり先を越されてしまう。着替えの終わらないワタシをおいて青い車体が、薄い白煙を引きずりながらコースに消えていった。

モトパンにSIDIのブーツを合わせる頃になって、今日の同伴がぽつりぽつりと集まってきた。夕べ呑んだくれたはずのtakaも、約束どおりにやってきて・・・#48をつけたYZ125をさっそくパドックへと降ろし始める。前に乗らせてもらったときは、確かまだ青いままだったはず。外装を黒に統一しているのは、なかなかのセンスだ。他にも、鉄製のフレームに同じ2ストローク125ccを抱くマシンが1台。ワタシのRMも合わせれば、今日のパドックは、2ストロークで賑わっている。4ストロークは、kojimaさんのRM-ZとyuutaくんのYZ-Fの2台だけだ。

3人が揃って着替え始めるのを待ってから、RMのキックペダルに手をかける。3回目で目覚めた2ストローク85ccは、いつもよりも重たく、くぐもりながら回転を上げていった。

<つづく>