「やっぱ、楽しいわ」 4

<7/25の続き>

MOTO-X981は、パドックからコースへのアプローチに勾配がつけられている。その見た目よりもきつい坂の砂利道を、RMがあえぐようにして上っていく。暖まりきっていないエンジン、でも、いつもはこんな感じじゃない。ただ1台、コースを走るYZ125を見送ってから、RMのクラッチレバーをゆっくり放す。一度加速したRMは、第1コーナーを目指す緩い勾配に負けて、あっさり左指に半クラッチを求めた。

昨日組み付けたばかりのPWKは、さすがに「ポン付け」とはいかなかった。下がまったく言うことを聞いてくれない。全開になっていれば快調なエンジンも、全閉からの開け始めでボボッボッと息つきを起こして、コーナーを立ち上がる前に失速。半クラッチを当ててようやくコーナーを回りきると、続くジャンプのアプローチでもガス欠したように、エンジンがくぐもって・・・斜面の途中で、マシンが止まりそうになる。

1周目からその繰り返し、ロングテーブルトップを跳び出す勇気は、出てこなかった。

<つづく>