真っ赤な女の子 3

力いっぱいブレーキレバーを握りしめると、つんのめるようにしてRMも動きを止める。フロントタイヤは、CRFのリヤタイヤに触れている。カメは、両足をバタバタさせながらマシンを後ろに引いていき、ウサギは天を仰いでから、その長い腕をキックペダルに伸ばす。まだ始まったばかり、その気があればどうぞ!とココロの声が聞こえたかどうか・・・キックペダルを踏み降ろすカノジョをちらりと見やり、くぐもった排気音を引きずりながら、RMが次のテーブルトップをなめて走る。フープスの入り口、第3コーナーを回った辺りで一度マシンを停めて、ひとつ高いところに停まったままのマシンに視線を送る。こちらを見ながら右足がせわしく動いているから、まだやる気は残っているらしい。そして、けたたましい爆裂音が林に跳ね返り、ウサギはカメになって勢いよく走り出した。

<つづく>