manmi 5

<8/25の続き>

4ストローク単気筒、250ccのDOHCエンジンが唸りをあげる。「何もそこまで・・・」と思う間もなく、リヤタイヤが砂を蹴り上げて、まっすぐ目の前の斜面に突っ込んでいく。2速全開で斜面を駆け抜けたTT-R250は、フロントタイヤを持ち上げたまま、大きく宙に跳び出した。それはもう、見事なジャンプだった。そして、着地と同時に握りしめたレバーが、面白いようにフロントタイヤを砂に突き刺して、マンミはきれいな前転を決めて、腰から砂に落ちていった。駆け寄る仲間の心配をよそに、すくっと立ち上がり、アタマの上に挙げた両手を大きく左右に振っていた。

渚でそこまでの記憶をたどってから、ゆっくり今宵の宿へと引き返した。

<つづく>