manmi 6(完)

<8/30の続き>

冷房の利いた部屋に「大」の字に寝ころんで、天井の灯りを見ながらまた、カノジョのことだけを思い出していた。「満美」、美しさが満ちると書いて「まみ」。ただ、仲間はみんな、親しみと少しの悪戯心を持って「マンミ」と呼び捨てていた。カノジョを「まみ」と呼んでいたのは、その頃から一人だけ。今はその一人が、カノジョの旦那に収まっている。一人息子にも恵まれて幸せに年を重ねたカノジョを、ワタシは今でも「マンミ」と呼ばせてもらっている。はちきれるような笑顔にえくぼが二つ、北海道の匂いがするカノジョにはやはり・・・「マンミ」のままでいてほしい。

ふと見れば、TVドラマを映し出す液晶は平たく薄くて、100円硬貨を流し込む細長い口などはもう、どこにも付いてはいなかった。