見覚えのある、その背中に。 3

「帰りにこれ、ポストに入れていってね」と手渡された駐車証には、大きく数字が書いてあった。それをダッシュボードに放って、どこまで行けば、どこで停めたらいいのかもよくわからないまま、ゆっくりとBongoを前へ走らせる。

日曜日の昨日、今日のように広がった青空に多くのライダーが集まり、重たい砂埃を撒き上げていたのかもしれない。今はそれが信じられないくらい静かな朝、時折ジャンボ旅客機が滑空するだけで、他に聞こえるのは風の音だけ。邪魔するものは何もない。「今日は貸し切りかもね」、と晴れた月曜日の朝に、ryoが微笑んだ。

<つづく>