光と陰と

傾いた陽が、褐色に陰影を落とす。その光を背に最終コーナーを翻し、左の人差し指を軽く引いて、前を走る4ストロークに近づいた。右に緩くベントした先は、一つコブを越えると短い直線になる。少し屈めた背中とマシンの後ろ姿が、現れた逆光にくっきりと浮かび上がる。そして、そのジャージにプリントされたゼッケンをぼんやり眺めながら、第1コーナーへと落ちていく。

<つづく>