気分は上々 6

フルサイズの長い脚に甘えていた体が、浅いギャップに深く叩きつけられる。

愛機のRM85Lなら、まだ我慢できるのかもしれない。ただ、この4ストロークの150ccは、いとも簡単にサスペンションが底をつく。それでも練習走行、予選、ヒート1と走り続けて、ようやくその重さにも慣れてきた。CRFのステップに立ち上がり、左膝の具合に折り合いをつけながら、とにかく逃げて、逃げて、逃げる。

乾ききったかすみがうらの感触が宿る体に、408コーナーの食いつく山砂がなつかしい。どこから開けても、まったく転ぶ気がしない。それなのに・・・727を着けた同じCRF150RⅡは、離れてはくれなかった。408の刻まれたコーナーを折り返して行き違うたび、その距離は少しずつ、だけど確実に詰まってきていた。

<つづく>