夏日のデュオ 3

<4/27の続き>

カン高い排気音を細くまき散らして、KX85が弾んでいく。

走り出すまで「うまく走れない」と涙を流していたはずなのに・・・先生のCRF150RⅡを交わしたのは、ほとんど走るマシンのいない、きれいなインサイドだった。先生よりも小さな背中を先生と同じように丸めて、シートのやや後ろに腰を落とすと、教え子が前に出た。YZ125のフロントがフープスに正対する頃にはもう、2台はつながるようにして第4コーナーを抜けていた。

このまま近づいてくると思われたCRF150RⅡ。でも、先生の今日は、まだ終わらなかった。

<つづく>