至福

老いた両親をマーケットに送り届けて、ネロとともに在る車中。予報よりもはるかに早く、昼前から大粒の雨がこぼれ出し、駐車場もすっかり水浸しだ。フロントウインドウを叩く16ビート。そして、歪んだアスファルトに車影が走り、雨を跳ね上げるノイズが後を追う。春の嵐のその前に、たっぷりコースを楽しめたと独り悦に入って、濡れた景色に笑みを返した。