晦日

手のひらに掛けていた力が、一気に消えてなくなり、あやうく上半身から崩れ落ちそうになる。まるで夢でも見ていたかのように、あっけなく晦日が暮れていく。いつもならキーボードを叩きながらの夕餉も、今宵、画面はスリープのまま、真っ黒なディスプレイには小さく電源ランプが反射しているだけだ。

手持ちぶさた。持て余した時間を、ロックの泡盛で少しずつ流し込んでいく。ほどけた緊張感にアルコールが染み入って、酔いが早い。明日から始まる「新しい年」も、嘘のような晦日を迎える一年であってほしいもの。そしてまた「拍子抜けした」と、嘯いてみたい。