雨男

急いで玄関を出て、ネロと駆けだしたアスファルトに、ポツリポツリと黒い染みが付いていく。慌てて散歩を切り上げると、じきに空には、灰色を割って光が射してきた。それから夜になってもアスファルトは乾いたままで、朝の出来事に、まるで実感がない。

降るというから走らなかった先週の日曜日は、夜半まで道を濡らすことがなかったのに、走ると決めた次の日曜日は雨の予報。今まで首を横に振ってきたけれど・・・・・・どうやら私は、雨男らしい。