晴雨

願い叶わず雨の朝。それでも陽射しの代わりに届く、南の海から吹く風が、玄関を出る体に生暖かく絡みつく。しかし、そのまま乾くことなく濡れたままの一日。夕闇が迫る頃になってまた、空が本気で泣き出した。

ウイルスとオリンピックがまぜこぜになったニュースに、雨音が激しいビートを刻む。明日は朝から晴れる。そう言い切るお天気お姉さんが、やけに格好よく映る。いつまで湿気ていても、何も始まらない。