疎遠

予報より明るい空は、午後になって雲がちぎれ、窓越しの瓦もまぶしく光り出した。道を挟んだ中学校では運動会でもやっているのだろう、若い放送部員の幼げな声が風に流れてくる。

開け放した窓から吹き込む五月に、ふわりレースのカーテンが翻る。初夏の薫る昼下がり。こんな日に乗れない巡り合わせを、呪ってみたくもなる。相も変わらず好天に縁は薄い。

一度、雨の中でも走ってみれば、この呪縛から逃れられるのだろうか。そう、レインウェアを着込んで、対向車の水しぶきを浴びて走ってみれば。