旅心

雨にも当たらず、雲間からとどく陽射しも、窓を開けるだけでやり過ごせる。三年ぶりになった南房総周遊。いつもながら水無月なのに、ここまで濡れた記憶が薄い。シロを連れてこられなかったのは残念だけど、定宿のご主人に戦国時代の逸話を聞かされたり、思い思いに楽しむ週末人と言葉を交わしたりと、旅心は大いに刺激された。地元のフリーペーパーもたくさん持ち帰り、疲労でもうろうとする脳裏には、XG250を駆る自分が霞んでいた。