戻ってきました

青が突き抜ける空に、雲は白く盛り上がり、アスファルトがハレーションを起こす。極上の真夏に気を良くして、日光で折り返すつもりが金精峠を越えて、ロマンティック街道を老神温泉まで足を延ばす。山の木陰でヒグラシの音を聞きながら、不格好に九十九折りをつないでいく。いろはの不甲斐ない走りには目をつぶって、光と陰に塗り分けられたワインディングを駆け抜ける。次はもう少し走れるようになってから、奥信濃の温泉でも訪ねてみようか。これだからバイクはやめられない。