2021年8月19日
8月19日。今日は語呂良く、バイクの日。ただ、週の中日の木曜日じゃ仕事も佳境、テレワークの身でも、なかなかわがままには振る舞えない。蒸し風呂のようなガレージをのぞき込み、「こんな日にオマエに乗れないなんて」と独り嘯いても、それほど気分が下がるわけでもない。
いったい、いつからか。そして、熱はこんな風に突然、冷めるものなのか。とてつもなくシンプルに・・・・・・。夏の夜に、月は輝く。
誕生日、おめでとう
お兄ちゃん・・・・・・。
年の離れた弟をRZ250のタンデムシートに乗せて、富山から能登半島を巡り帰ってきたあの日からもう、四十年になる。帰り道、調子に乗ってバンクさせ過ぎて、バックステップを路肩にすり付け、肝を冷やしたのを思い出すと、今でも胸が痛くなる。当時中学生だった弟は、そうとは露知らず、兄の自分を信じ切って、タンデムシートから腰に手を回したまま、平然としていたっけ。
半島の複雑な海岸線を車でたどりながら、そんな古を思い出していたのは、半月ほど前のこと。いくつになっても出来の悪い弟のことを心配するのが、兄というもの。セキュリティに兄の誕生日を設定していたその弟は、自分の誕生日の今日も、病院の中で過ごしている。枕元で「おめでとう」と声をかけたかったけど、それも叶わないこと。せめてもと看護師に思いを託して、着替えを置いて踵を返す。
できることならその声をもう一度だけ聞かせてほしい。笑いながら「お兄ちゃん」と呼びかける、その声を。
うれしいやら、かなしいやら
「土日ってモトクロス、行けるの?」
三年ぶりの帰省に、やっぱりモトクロスなのかと嬉しくなるやら哀しくなるやら・・・・・・他にないのかね、この三十路の男にはと、心配になる。
それでも、次の日曜日、コースに集まってくれるモトクロス仲間がいる。TEAMナノハナの再起動は見せられないけれど・・・・・・それは、また。
ありがとう!