恵みの雨が恨めしい

半年前まで通っていた工場は、MX408へ行く途中にある。利根川の河川敷に真っ直ぐ敷かれた農道は、田植えの終わった田んぼにすっかり囲まれて、薄い緑に色が付くようだ。農道を出て左に曲がれば茨城県へと渡る橋、今日は左ではなくて右に曲がって・・・懐かしい職場へとBongoを走らせる。

窓の近くで、パソコンに向かって、せっせと仕事に励む。5月にして真夏日に迫ろうかという午後になっても、暑いという実感はまったくわかない。雲に覆われた空は、ますます灰色が濃くなって・・・建物の中に居ては、蒸し暑さすらネクタイで絞めつけられた首元に感じるだけ。“機械中心”の空調は、素肌には冷た過ぎる。

作業を終えて、外に出る。降り止んだ雨が、生ぬるい西風に揺れて、一足飛びに梅雨時を思わせる。のんびりと歩いている分には、さほど気にならないけど・・・化繊のワイシャツの下、うっすらと汗ばんでくるのがわかる。Bongoのエアコンを付けて、温度調整ノブを“C”の位置までいっぱいに回してから、ゆっくりと走り出す。

金曜日までしっとりと雨が降り、週末は初夏のさわやかさだと、お天気キャスターのお姉さんが笑顔を見せていた。少し上がった口角と明るい声が、どうも嫌味に思えてしまうのは・・・懐に穴が開いたままだから?MX408走行セットが消えた今、しばらくの間、週末はryoと別行動。BMXで遊ぶ程度だ。“上出来”な路面が恨めしい・・・きっと楽しいんだろうなぁ。