Holiday

週末、11時。ホームに入ってきた中央林間行きの急行に乗り込み、車内で腰を下ろす。座席は歯が抜けたように空いていて、つり革につかまっている姿は見えない。わずかにドアにもたれかかっている人が居るのは、次の停車駅で降りるのかもしれない。空調に、窓から射し込む光が絡み合って、程よい暖かさだ。

動き出すとすぐに、明るい声があちらこちらから聞こえてくる。斜め前に座った二人組もにぎやかに話を始めた。いつもは清楚な高校生なのか、薄い化粧もどこかぎこちない。それでも今日は制服を脱いで、乳白色の下地に朱色のダイヤ柄をあしらったセーターをまとい、ミニスカートから健康的な膨らみの生足を覗かせている。

ベイマックスが・・・」とか、「・・・が可愛い!?」とか、最新のディズニー映画の話題で盛り上がっているらしく、隣り合わせで二人、笑っている。ふっくらした頬に赤みが差して・・・ハリのある顔立ちが陽光に映える。重く沈んだ平日にも、少しだけこんな華やかさがあればうれしいのに・・・。