告天子

雲間に青が映える。風が北から音を上げて舞う中を、一羽の雲雀が喉を嗄らすようにしてまっすぐ羽ばたいていく。けして流されることなく、ただ天上へと羽ばたく姿は、どこか母の強さに似ている気がした。そして、かしましく響く声は、いつしか南の空へと消えてなくなる。雲をすり抜け、届く陽射しには、春の色が宿る。頬を赤く染めるヒカリを、強い北風が冷たくさらっていった。