R471 4

やがて道は少しずつ東を向き始め、山間に開けた放牧場を縫うように、左右にゆるやかな弧を描いていく。雪除けに広い路側帯を備えた2車線は、十分な道幅を白い波線でつないでいる。見通しの利くカーブに、深呼吸を繰り返すようなアップダウン。リッターでは気を使いすぎるし、クォーターではチカラが欲しくなる。中型ほどの排気量、できたら空冷エンジンなんかがあれば、それぐらいがちょうどいいと独りうなずく。山と山の間でハンドルを揺らしていると、牧場の緑はいつしか棚田のそれに変わっていて、それがまた夏色にうまく似合って見えていた。

<つづく>