R471 5

行き交うクルマもなければ、バイクも通らない。里山に延びる道を独り占めにして、加速するでもなくブレーキを掛けるでもなく、気ままに走り行く。どこまでも陽射しは強くて、道に落ちる影は、細い電線までくっきりと黒い。徐々に勾配がきつくなり、山が横から迫ってくると、石川県を抜けて富山県に入る。下り勾配に変わった道は、少しだけカーブの曲率を強くして、石動の街に向かい下りていく。

<つづく>