もちろん次は・・・

空回りしていたのは、愛機RM85Lのリヤタイヤばかりじゃない・・・。

ひたすら高く遠くに跳ぶことだけを思い、固い斜面だけを見つめて、長い直線にスロットルを開けることだけに夢中になっていたら、すっかり忘れてしまっていた。雨の残った山砂は、ホームにしているかすみがうらの東コースと違って2ストローク85ccの細いトルクを奪い去り、気ばかりが急いてマシンを思うように走らせられない。薄く振った混合気が、坂を上るたびにエンジン回転だけを高く走らせて、エグゾーストの高音だけが林の中にこだまする。

<つづく>