長い日曜日 2

<9/24の続き>

午前二時。

信号待ちの右手から、小さなテールランプが二つ、いきなり翻った。Vツインの低音が黒いアスファルトに弾けながら、大きく弧を描いて、闇に溶けるように一気に離れていく。真夜中に単車と戯れる背中をただ見送り、青色のシグナルにアクセルを少しだけ強く踏み込むと、Bongoのリヤタイヤがキュッと鳴いて、荷室に積まれた二台のマシンがざわついた。

午前三時

矢板の入口にウインカーを落とすには、燃料計の針が心許ない場所にある。真夜中の田舎町、たまに見つけてもそれは通りの反対側だったりして、距離だけが進み、針はどんどん下へと落ちていく。ようやく都合のいいガスステーションでBongoのタンクを満タンにしてやると、これで高速を走り抜けられると、右足にもいきおいチカラが戻ってきた。

矢板から数えて、六つ目。国道から少し外れた須賀川のインターから東北縦貫にハンドルを合わせて、ETC専用レーンをゆっくり走り抜けた。

<つづく>