リトルレーサー 3

 5秒前にボードが切り替わり、スターターがコースサイドへと逃げていく。右手に反応するのは中間の開度まで。スロットルを絞りきろうとしても、途中で息を付くエンジンに慌てて右手を返す。そして、弱く小さな排気音を響かせる中、スターティングゲートが落ちた。止まらないようにするだけでも厄介なエンジンを抱えたまま、とにかく第1コーナーを見据える。およそレーサーとは思えない加速では、ミドルクラスと言っても着いてはいけず・・・・・・あっという間に集団の後方へと追いやられた。

つづく