リトルレーサー 6

 テーブルジャンプのトップよりも高いところから、コースを見渡し、跳び去る車影を左から右に目で追いかける。そんなギャラリーに湧くコースサイドへと、流す視線も余裕も、今は何もない。それでも着地のリバウンドを何とか抑え、ふらつきながらもフィニッシュジャンプを跳び越え、最終コーナーをインベタに拘り、ホームで一番のお気に入り、第1コーナーのアウトの縁へ真っ直ぐに突っ込んでいく。そして、そこから何も気にすることなく、インに切れ込むように重心をずらすと・・・・・・いきなりフロントタイヤがいなくなった。

つづく