願わくは 5

「その後のダブルと右コーナーは同じで、その後のテーブルトップが二倍の長さに変更」saitoさんが言うように、少し反り返った褐色の斜面からは、細くて長い“テーブル”が延びている。出来立ての頃、半分よりもちょっと行ったところに縦溝が何本も走って・・・その名残が、浅くテーブル“トップ”の路面を削っていた。フルサイズマシンの全部が全部跳び切れるほど、やわな距離じゃない・・・。ただ、右コーナーを小さく立ち上がっても、マシンを立て直してから十分に加速できるだけの直線がある。その先にはきれいに整った斜面が待っていて、どこからでも飛び出していける安心感がある。アウトからなら、ひとつもあわてる必要はなく、垂直に立ったRMを静かに加速させていく。ちょっとした反動を感じるのと一緒にリヤタイヤが路面から離れて、ワタシを乗せた小さな黄色いマシンは一気に空中へと上っていった。傾けた視線の先にワダチが数本、縦に走っているのが見える。放物線の頂点からは、ゆっくり下降。そのまま大抵のマシンが落ちる、その縦溝に着くと、フロントタイヤが取られて、転びそうになる。アウトから力一杯、真面目に加速していっても・・・跳び切れる自信は、無い。

<つづく>