Monster 797

テレビから耳になじんだ旋律が流れてくる。その歌声に何かを思い出すように、こうして捨てられない雑誌のページに、今度は指が動かなくなる。アスファルトから離れて、土の上を走るようになって十年。最後になるはずだった空冷Lツインのレプリカが、来年、日本にやってくる。がさつなデスモドロミックの感触が、カラダの内によみがえる。迷える鳥は来る年に、いったいどこへ跳び立つというのだろうか・・・。